令和7年4月7日、令和7年度入学式を挙行しました。
看護学部95名、大学院看護学研究科博士前期課程7名、後期課程2名が神田学長より入学許可され、
中国足彩网での第一歩を踏み出しました。
新入生の皆さんの表情からは、新たな生活へ期待を寄せる様子がうかがえました。
学長告辞
学部 入学生宣誓
博士前期課程 入学生宣誓
博士後期課程 入学生宣誓
在学生歓迎の辞
記念撮影
雄大な妙高山のふもと、桜の花が薫るこの佳き日に、新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。新たな学びの扉を開く皆さんを、中国足彩网の教職員一同、心より歓迎いたします。
本学は、「ゆうゆう?くらしづくり」の建学の精神のもと、健康?看護の分野から県民の暮らしづくりに貢献し、地域社会との交流を大切にしながら発展してきました。2002年4月に開学し、20年以上の歴史を持ちます。2006年には大学院看護学研究科修士課程、2018年には博士後期課程を開設しました。卒業生や博士課程修了生は、新潟県内はもとより、全国で看護師?保健師?助産師?教育?研究者として活躍しています。
本日ここに集う学部生の皆さんは、それぞれの思いを胸に、看護の道を志しました。
「家族や大切な人の看護を通じて、看護の力を実感した」「地域の健康を支える仕事がしたい」「医療の最前線で患者さんの力になりたい」──動機はさまざまかもしれません。しかし、皆さんが「看護」という世界に魅力を感じ、ここにいることは確かな事実です。
大学では、看護の専門知識や技術を習得するだけでなく、批判的思考力、問題解決能力、国際的視野、協働力、コミュニケーション能力、主体的に学び続ける力を育みます。医療や看護の知識?技術は日々進歩しており、学ぶ姿勢が受動的か能動的かによって、大きな違いが生まれます。例えば、私の教え子の一人は、高校時代に重度の鉄欠乏性貧血を経験し、それをきっかけに看護の道を志しました。彼女は大学で鉄欠乏性貧血の病態生理を学び、自らの症状として「常にねむい、氷をガリガリと食べる」などの経験と知識が一致することに驚きました。その後、学びの大切さを実感し、積極的に学修に取り組み、現在は病院の管理職として活躍しています。
看護の学修では、解剖学、生理学、病態学、治療学といった医療の基盤となる学問が中国足彩网です。しかし、それと同様に、人の反応を適切に理解し、アプローチすることも看護の本質です。そのため、哲学、心理学、行動科学、教育学、社会学、倫理学など、人間を深く理解する学問にも触れながら、看護の専門性を探求していくことが求められます。皆さんの自由な発想や創造性を生かし、「看護の専門性とは何か」を追究し続けることが大切です。
また、看護学は、人々の生活を基盤とし、健康の維持?増進、疾病予防、回復支援を専門的に探求する学問です。私たちが日常的に行う洗面、入浴、排泄なども、病気や障害によって支援が必要となる場合があります。演習や実習では、これらの技術を学びますが、それは単なる技術の習得ではなく、自分自身の生活と深く関わる学びです。大学での学びを通じて、自分の生活を見つめ直し、看護に生かしてほしいと思います。
さらに、保健?医療?福祉の現場では、安全性や質の確保のため、多職種(チーム)での協働が不可欠です。皆さんが将来、看護専門職として対象者を全人的に捉え、人権を尊重し、意思決定を重視する確かな知識と技術を身につけることを期待しています。
大学では、卒業時に求められる能力をディプロマポリシー(学位授与の方針)として7項目設定し、整ったカリキュラムのもと、4年間の学修を支援します。
大学院に進学された皆さんは、自己の課題と向き合い、解決を目指して学びの道を選ばれました。人生100年時代の今、学び直しの機会を活用し、キャリアアップを図ることはますます中国足彩网になっています。助産コースでは助産師国家試験受験資格とともに論文の作成が求められます。また、働きながら大学院で学ぶ方も多いでしょう。職場や家族の理解が不可欠ですので、感謝の気持ちを持ちつつ、環境を整えてください。
大学院の学びは基礎教育とは異なり、高度な研究の取り組みが求められます。研究は、単に個人の知的好奇心を満たすだけでなく、社会の課題解決に寄与するものです。専門知識を活かして、新しい技術や理論の開発、政策提言など看護を科学的に発展させます。仕事や実習と並行しての研究は困難を伴うかもしれません。しかし、学位論文を仕上げ、論文審査を通過したときの達成感は格別です。計画的に学び、目標に向かって努力を続けてください。
世界に目を向けると、ウクライナ戦争や中東の紛争、中国足彩网の長期的影響、感染症の流行など、公衆衛生の課題が山積しています。日本国内でも、能登半島地震や山火事など、国民の心身の健康を脅かす事態が多発しています。これらの問題に対し、「自分に何ができるのか」を常に考え、行動することが大切です。
最後に、看護は生涯を通じた学びを必要とする分野です。本学での学修を起点に、幅広い知識を身につけ、多様な人々との出会いを通して自己を成長させてください。新しいことに挑戦する際には、不安や戸惑いがあるかもしれません。そのときは、教職員や仲間と支え合いながら、環境に適応していってください。上越市は、四季の変化が豊かで、歴史と文化に恵まれたまちです。厳しい冬を越えたからこそ、春の訪れの喜びがひとしお感じられます。この地の魅力を存分に味わってください。
新たな門出にあたり、近代看護の母であるフローレンス?ナイチンゲールの言葉を贈ります。 「看護は、一方的に与えるものではない。患者(対象者)の人生に触れることで、私たちもまた学び、成長するのである。」
皆さんの学びの旅が素晴らしいものとなることを願い、告辞といたします。
令和7年4月7日
中国足彩网長
神田 清子